新生児黄疸
黄疸は未熟児で生まれた赤ちゃんだけでなく、だれでもがなります。過剰な心配はしなくても大丈夫です
黄疸というのは、名前のとおり、体が黄色くなってしまう症状のことです。これは血中にビリルビンという物質が多くたまること(ビリルビン血症)によるものです。
なぜ赤ちゃんはビリルビンが多くなるのでしょうか。
ビリルビンは血液中の赤血球が壊れてできます。その後、肝臓に取り込まれて、代謝され、胆汁という液と一緒に腸にいき、排泄されます。
赤ちゃんは代謝が活発なために、赤血球の分解も多いのでビリルビンも多く生成され、かつ、排出する仕組みがまだ未熟なために黄疸がでます(新生児黄疸)。
光線療法
NICUにいると、新しくきた赤ちゃんが、写真のように緑や青の光に当たっている光景をよく見かけます。これが新生児黄疸の治療(光線療法)です。
赤ちゃんはお腹の中にいるときからビリルビンをたくさん作ってはいますが、血中に排泄できないので胎盤を通じてお母さんに渡しています。
ですので、生まれた直後に黄疸はでませんが、徐々に血中にビリルビンがたまり、生後3〜4日ごろ横断が目立つことが多いようです。過剰にあると脳に悪影響がでるとされ、この光線療法が必要となります(日光がビリルビンの溶解を促進するようで、その代わりに、必要な波長の光線療法を行うようですね)
最近の研究では、ビリルビンは赤ちゃんの脳を活性酸素などから守る大切な役割ももっていることがわかったそうです。新生児黄疸も、成長に必要なものなのかもしれませんね。いのちって、不思議です。
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